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新・人間革命 第20巻

 

新・人間革命 第20巻


【目次】友誼の道/懸け橋/信義の絆  (聖教ワイド文庫もあります)

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戸田城聖の後を継ぎ、創価学会第三代会長となった山本伸一の峻厳な「弟子の道」が綴られている。日蓮大聖人の仏法のヒューマニズムの光をかかげて、世界を舞台に繰り広げられる民衆凱歌の大河小説。
(聖教ワイド文庫もあります)
 

●著者/池田大作

●出版社/聖教新聞社

●発行年月日/2009年10月12日

●ISBN/9784412014237
●サイズ/四六判・上製
●ページ数/408


【目次】
友誼の道/懸け橋/信義の絆

【各章の概要】
【「友誼の道」の章】1974年5月30日、山本伸一は妻の峯子と共に、中華人民共和国を初訪問する。当時イギリス領・香港の最後の駅である羅湖から、歩いて国境を渡って深センに入り、中国への第一歩を印したのだ。伸一は、中国に文化大革命の嵐が吹き荒れるなかで、「日中国交正常化提言」(68年9月)を発表するなど、日中の関係改善のために奮闘。72年9月には日中国交正常化が実現していた。中国側は、伸一の貢献を高く評価しており、彼は行く先々で熱烈な歓迎を受ける。北京では、中日友好協会をはじめ、小・中学校、人民公社等を訪問。時には、生徒たちと卓球をするなど、親しく交わり、対話し、友誼の道を開いていった。また、北京大学では、大学首脳や学生らと懇談。教育交流のために、5000冊の図書贈呈の目録を手渡す。この伸一の北京大学訪問が、創価大学との交流の源流となっていくのである。伸一が、最も心を痛めていたのは中ソ対立であった。中ソ国境では一触即発の緊張がみなぎり、北京の中学校の校庭や市内の繁華街にも、ソ連の攻撃に備えて、防空壕や地下壕が掘られていた。伸一は、中日友好協会の代表との座談会で、懸命に平和を訴えるとともに、中国には侵略の意思がないことを確認。また、李先念副総理との会見でも、中国は強く平和を求めていることを確信する。伸一の一行は、西安へ。西安から上海に向かう途中、天候不良で急遽、鄭州で一泊することになる。現地の人々による歓迎の席で、同行の青年が熱唱する、師との思い出深き“五丈原”の歌が、悠久なる歴史の天地・中原に友誼の歌となって響いた。上海に続いて訪れた杭州でも、伸一は、雨宿りをする人々に気さくに声をかけ、心を結んでいく。上海に戻っての答礼宴で、学生部長の田原と中国の青年が再会を喜び合う姿に、伸一は、“日中提言”の時に思い描いた夢が実現しつつあることを感じる。往路と同様、歩いて香港側へ向かいながら、伸一は深く心に誓う。“中ソの戦争は絶対に回避しなければならない。さあ、次はソ連だ!”

【「懸け橋」の章】宗教否定の国へ、なぜいくのか。「そこに、人間がいるからです」――伸一は、中国に続いて、9月8日には、ソ連を初訪問する。彼の胸には、対立する中ソの懸け橋となり、世界平和の幕を開かねばならないという決意の炎が燃え盛っていた。金秋のソ連の大地を踏んだ伸一は、招聘元のモスクワ大学を訪問し、ホフロフ総長と懇談。同大学と創価大学との間に、教育・学術交流への具体的な計画が検討され、議定書の調印に至る。また、民間外交機構である対文連のポポワ議長、高等中等専門教育省のエリューチン大臣、民族会議のルベン議長らとも共感の対話を展開。文化省では、民音、富士美術館との交流に合意。ソ連科学アカデミーと東洋哲学研究所との、学術交流の道も開かれた。さらに、深夜の特急寝台列車でレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)へ向かう。献花のため、第2次世界大戦の犠牲者が眠るピスカリョフ墓地を訪れた伸一は、ソ連が大戦であまりにも多くの犠牲者を出した悲惨な歴史を知り、戦争への強い憤りを覚え、平和への誓いを新たにする。再び、夜行列車でモスクワへ。療養中のため、難しいと言われていた、ノーベル賞作家ショーロホフとの会見が実現する。ロシア流の乾杯から始まった会見は、人間が根本であり、精神革命こそが一切の最重要事であるなど、強く共鳴し合う語らいとなった。訪ソ最後の日、クレムリンでコスイギン首相との会見が行われた。伸一は、3カ月前の訪中の折、中国首脳が他国を攻めるつもりはないと語っていたことを伝え、率直に尋ねる。「ソ連は中国を攻めますか」。首相は答える。「ソ連は中国を攻めないと、伝えてくださって結構です」。伸一の手で、中ソの対立の溝に、一つの橋が架けられようとしていた。コスイギン首相と会見した後、一層の日ソ交流促進への意思を明らかにするため、一行と対文連とのコミュニケ(声明書)が発表される。



【「信義の絆」の章】12月2日、伸一は、北京大学の図書贈呈式に招かれ、再び中国を訪問する。定期航空路が開設し、今回は、直接、北京へ入る。宿舎に訪ねてきた中日友好協会の廖承志会長に、伸一は、コスイギン首相との会見内容を、中国の首脳に伝えるよう託す。この訪問でも、北京大学での諸行事やトウ小平副総理との会談など、伸一の真心の人間外交が織り成されていく。滞在最後の夜(5日)、答礼宴が終わりに近づいたころ、周総理からの会見の意向が伝えられる。総理は療養中であり、病状を案じる伸一は丁重に辞退する。しかし、会見は総理の強い意志であることを知り、入院する305病院へと向かう。会見の部屋には伸一と峯子だけが入った。周総理は、伸一の中日友好への取り組みを高く評価するとともに、中日平和友好条約の早期締結を切望。未来を託すかのような総理の言葉を、伸一は、遺言を聞く思いで、心に刻む。2人は、信義の絆で固く結ばれたのである。その後、中ソの関係は悪化の一途をたどるかに見えたが、やがて、ゴルバチョフとトウ小平の時代に、ついに両国は関係正常化を宣言することになる。


周総理と会見した1カ月後の翌75年の新春早々、伸一はアメリカへ。国連にワルトハイム事務総長を訪ね、中東和平などをめぐり意見を交換。さらに、青年部の悲願が込められた、核廃絶一千万署名簿を手渡す。翌日、キッシンジャー国務長官と会談するため、ワシントンへ。長官とは、かつて、ベトナム戦争の終結を呼びかける大統領宛の書簡を託して以来、何度か手紙のやりとりをしていたが、これが初の会談であった。伸一は、中東和平への提言を英訳した書簡を手渡す。長官は繰り返し書簡を熟読し、伸一の提言を大統領に伝えることを約束する。キッシンジャーと伸一の友好は一段と深まり、後に対談集を編む。長官との会談後、渡米していた大平正芳蔵相から、日中平和友好条約についての意見を求められた伸一は、早期締結を訴える。また、彼は、アーリントン墓地を訪れ、かつて、会談が決まっていたにもかかわらず、実現せずに終わったケネディ大統領の墓前で、冥福を祈る。そして、第1回「世界平和会議」が開催されるグアムへ向かう。いよいよ平和の新章節の幕が開かれようとしていた。


 



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